主要な法令・公的参照先
まず押さえる要点
IMEは治療のための受診ではなく、保険会社が後続決定に使う証拠を作る場面です。実際の不利益は、後で出るSection 78、就労能力決定、週次給付の減額停止、治療否認に表れやすく、準備不足だと短時間の評価が長期の主治医記録より重く扱われることがあります。
このページは一般的な情報提供を目的としており、法的アドバイスではありません。This is general information only, not legal advice.
先に守るべき重要ポイント
- IME受診は通常、合理的な検査義務として扱われ、正当理由なく欠席すると給付面で不利益が出るおそれがあります。
- IME医師は治療担当ではなく、保険会社向けの評価報告を作る役割が中心です。
- 主な争点は責任、就労能力、治療の合理的必要性、WPI評価の4系統です。
- 受診前準備、当日の伝え方、受診後48時間の記録固定で結果は大きく変わります。
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このページが役立つ場面
保険会社がIMEを手配する4つの典型目的
典型的には、傷害が本当に業務起因か、今どこまで働けるか、提案された治療が合理的に必要か、WPIがどこまで認められるかを確認するためにIMEが使われます。1つだけでなく複数争点を同時に動かすために手配されることも珍しくありません。
今回のIMEがどの決定に結びつくのかを先に見極めると、どの資料を前面に出すべきかが明確になります。例えば就労能力争点なら制限の一貫した記載、治療争点なら専門医の必要性説明、WPI争点なら評価根拠の精度が重要になります。
受診前に起きやすい失点
最も多い失点は、「今日は少しましです」で終わってしまい、普段の悪い日、痛みの波、家事や通勤で何ができないかを具体化しないことです。その結果、報告書で能力が実態より高く書かれやすくなります。
もう1つは、事故日、症状悪化、休業、治療変更、画像検査、手術提案、職場復帰失敗などの時系列を整理せずに臨むことです。短時間の面談が長期経過を誤って要約すると、あとで反証コストが大きくなります。
IME当日に伝えるべき内容, 「症状・機能・頻度」で答える
答え方は症状名だけでは足りません。例えば「腰が痛い」ではなく、「10分から15分以上座ると足に放散痛が出る」「買い物袋を持つと翌日まで悪化する」「通勤後は横にならないと保たない」のように、機能制限と再現性をセットで説明する方が実務的です。
その日が比較的良い日なら、普段の悪化パターンもはっきり補足してください。検査室でできた動作が、日常生活や反復作業に耐えられることを意味しない点を明確にすることが大切です。
受診前に揃えておきたい証拠パック
最低限そろえたいのは、最新のCertificate of Capacity、主治医や専門医の報告、画像検査や手術記録、保険会社からの予約通知や争点が分かる書面です。とくに主治医記録と専門医記録で機能制限の書き方が食い違っていないかを先に確認しておくと、IME後の争いが安定します。
就労能力が争点になりそうなら、実際に失敗した復職経過、勤務中にできなかった作業、休憩が必要な頻度など、現実の仕事ベースの説明材料も有効です。治療争点なら、なぜその治療が必要か、保存療法で何が足りなかったかまで整理しておく方が強いです。
受診後48時間でやること
まず当日のメモを残してください。開始終了時刻、質問内容、実際に行われた身体診察、同伴者の有無、医師が見ていない資料、違和感のあった発言などをその日のうちに整理しておくと、後で報告書の不正確さを示しやすくなります。
次に、主治医と専門医の最新資料を確認し、機能制限、就労可否、治療必要性の表現をそろえます。そのうえで、Section 78、就労能力決定、治療拒否、週次給付停止のどれが来ても対応できるように、反論の骨子を先に作っておくと初動が早くなります。
IME報告が不公平だったときの争い方
争う対象はIME報告それ自体より、その報告に依拠した保険会社の決定です。主治医や専門医の継続的記録、画像、手術提案、勤務実態、症状の推移を使って、どの前提が間違っているかを一点ずつ示す必要があります。
とくに、Section 78通知への対応、就労能力決定、治療拒否、週次給付停止 はIME後に連鎖しやすい論点です。通知が出たあとでは時間が短くなるため、早い段階で流れをつないでおくのが安全です。
実務ドキュメントチェックリスト
A. 自分のIME当日メモ。質問、診察内容、時間、見落とされた点を書き残します。
B. 最新のCertificate of Capacityと主治医意見。制限内容と就労可否が明確であることが重要です。
C. 専門医報告、画像、手術記録、治療提案書。単回評価に対する継続的証拠になります。
D. 予約通知、Section 78、就労能力・治療関連の決定書。期限管理と争点整理の基礎になります。
労災の基礎アンカーページ
NSW労災補償の総合ガイド は、週次給付・治療承認・紛争エスカレーションの土台です。まず基礎を押さえた上で、本ページの個別戦略を進めてください。
よくある質問
IMEを欠席しても大丈夫ですか?
通常は推奨されません。合理的な検査義務違反とみなされ、週次給付や手続上の立場に不利益が出るおそれがあります。欠席せざるを得ない事情がある場合でも、放置せず早めに連絡と証拠化を考えるべきです。
IMEを録音・録画できますか?
実務上、多くの場面で録音・録画は認められません。そのため、同伴者にメモを取ってもらい、終了直後に質問内容、診察内容、違和感、見落としを詳細に残す方法の方が現実的です。
IME報告が不公平なら、まず何をすべきですか?
最初に確認すべきなのは、保険会社がその報告を使ってどの決定を出そうとしているかです。そのうえで主治医や専門医の継続資料、機能制限、画像、勤務実態を使い、誤った前提を具体的に崩していきます。
IMEのあとにSection 78や就労能力決定が来たら別問題ですか?
別々に見えても実際はつながっています。IMEで作られた評価が、そのままSection 78、就労能力、治療拒否、週次給付停止の根拠に使われやすいため、最初から一連の流れとして準備する方が安全です。
次にやること
自分の事案がこのページに近いなら、論点を正しいルートに当てはめてから、証拠補強・通知対応・無料チェックの順序を決めてください。